真の傑作
真鍮、鉄、木材で美しく作られたブラシュエア望遠鏡は、高さ9メートルで、18インチの屈折レンズを備えています。
ブラシュエア望遠鏡は、世界で最も有名なビクトリア朝の望遠鏡の1つです。18インチの屈折レンズは、1894年にペンシルベニアの著名な眼鏡士、ジョン・ブラシュエアによって作成されました。アリゾナ州のローウェル天文台で1894年から1895年の火星を観測するために有名な天文学者パーシバル・ローウェルに貸し出され、火星の極地に氷が存在することを発見したことは有名な成果として知られています。
その後 1896年、ペンシルバニア大学がレンズを購入し、高さ5.4メートルの土台、長さ8メートルの鏡筒が赤道儀に取り付けられペンシルバニア大学が所有するフラワー天文台の直径 10メートルのドームに設置されました。
半世紀以上にわたって、この望遠鏡は多数の貴重な研究データを生み出し、天文学の歴史において非常に重要なものになりました。ブラシュエア望遠鏡は、ウォルター・レイトによる初期の土星の調査でも使用され、そこで初めて土星の輪の構造を観測しました。
アオテアロア(ニュージーランド)への旅
フラワー天文台は 1954年に閉鎖され、ブラシェア望遠鏡は解体されて保管庫に収納されました。 1962年にペンシルベニア大学は南半球の観測プロジェクトを開始し、カンタベリー大学 (UC) との提携によって、この望遠鏡が1963年にニュージーランド、テカポに到着しました。この提携によりマウントジョン天文台が設立されましたが、残念ながら高さ9メートルにも及ぶブラシュエア望遠鏡を収容できるドームを建設する資金が不足し、再び保管庫にもどされることになりました。
2016年、カンタベリー大学は復元という長年の夢を実現するために、この望遠鏡をトゥモローズ・スカイズ・チャリタブル・トラストに寄贈しました。これは、ダークスカイプロジェクトによって進められたコミュニティプログラムの一部でもあります。
ダークスカイプロジェクト施設を訪れるすべての人々は、当時の姿が復元された望遠鏡を見ることができます。また、ダークスカイ・エクスペリエンスでは、ガイド付きツアーでより間近に望遠鏡をご覧いただくことができます。